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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2015年10月8日(木)

「負」動産を相続しないためには?

このところ,「空き家」や売れない不動産が問題になっています。

 

固定資産税,管理費,修繕費などコストはかかるが,売れない,貸せない,という不動産は「負」動産とも言われています。

 

ここのところ,相続などの法律相談で,いわゆる「負」動産を相続してしまった,という事案が増えてきました。

 

相続するときは,長男だからとか,実家を失くすわけにいかないとか,考える余裕がなかったとか,様々な理由で相続してしまい,「負」動産とは気づかなかったという場合が多いようです。

 

3か月を過ぎると,相続放棄が原則的にはできなくなってしまいます。

 

そうなってしまってから,相談に来られて,やっぱり相続しなければ良かった,相続放棄をしておけば良かった,ということが多くあります。

 

動産と異なり,不動産は捨てる(=所有権を放棄して国の所有にさせる)ことはできないと考えられており,これはとても大事な知識です。

 

これを知らないで安易に「負」動産を相続すると,固定資産税,維持管理費用等,将来ずっとお金が出て行く一方になり,逃れられません。

 

相続が発生したら,問題点がわからなくても,まずは弁護士に相談し,相続財産がマイナスであれば速やかに相続放棄の手続をする必要があります。

 

「負」動産か否かが問題ということがわかっていれば,信頼のおける不動産業者に査定を依頼するなどして,価値を把握します。

 

今は,売れそうであれば(かつ将来使わないのであれば),すぐに売ってしまう方も多いです。

 

将来急速に人口が減少することは確実であり,不動産価格が暴落したら,さらに売れなくなると思われるからです。

 

ところで,上記のとおり法律上は,相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に,・・・放棄をしなければならない」とされています(民法915条1項本文)。

 

ただし,相続財産が全くないと信じ,かつそのように信じたことに相当な理由があるときなどは,相続財産の存在を認識したときから3か月以内に手続すれば,相続放棄が受理されることもあります。

 

諦める前に弁護士に相談すると良いでしょう。

 

なお,当事務所から,不動産業者を介して査定を取るなどもできますのでお気軽にご相談ください。

(関口)

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