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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2016年4月15日(金)

特別縁故者に対する財産分与

 

 

1 特別縁故者とは

 

 

相続人ではないけれど、「被相続人と特別の縁故のあった者」がいる場合があります。

 

これらの者を「特別縁故者」といい、民法に定められています。

 

この特別縁故者は、相続人ではないのですが、家庭裁判所に認められれば、清算後残った相続財産の全部又は一部をもらうことができるのです。

 

なお、特別縁故者もいない場合には、相続財産は国庫に帰属することになります。

 

 

流れとしては、まず「相続財産管理人」が選任されていることが先になります。

 

相続が発生しても、相続人がいるかいないか、わからないときがあります。

 

そのようなときは、まずは、相続財産を管理し、相続人を探さなければいけないため、家庭裁判所により「相続財産管理人」が選任されます。

 

相続財産管理人は、選任された後、被相続人の債務を支払うなどして清算を行った後、相続人がいるかどうかを捜索するための公告を行います。

 

 

この定められた期間内に、相続人が見つからなかった場合、精算後の相続財産について、「特別縁故者」がいるかどうかが、問題になるのです。

 

 

2 特別縁故者となり得る者

 

特別縁故者となり得る者は、次のとおりです(民法958条の3)。これらの者が家庭裁判所に相続財産の分与の請求を行います。

 

 

(1)被相続人と生計を同じくしていた者

 

 内縁の妻や、事実上の養親子関係にある者、長年同居して生活していた者(例えば相続人にあたらない親族関係にある者)などがあたります。

 

(2)被相続人の療養看護に努めた者

 

 報酬を受けていた看護師・家政婦などは認められませんが、業務以外に日常の介護や世話、入退院手続など、対価以上に献身的に被相続人の療養看護を尽くしていた場合は、認められる場合もあります。

 

(3)その他被相続人と特別の縁故があった者

 

 友人・知人で介護を続けていた者など、密接な交流が続いていた者などが考えられます。

 

条文は次の通りです。

 

(特別縁故者に対する相続財産の分与)

第九百五十八条の三  前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

 

 

3 申立て期間・申立て方法・申立て費用

 特別縁故者になり得る者は、相続人を捜索するための公告で定められた期間の満了後3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に対し、相続財産の分与を求める申立てを行わなければなりません。

 

 申立てに必要な費用は、収入印紙800円分と連絡用の郵便切手代です。

 

 

4 申立てに必要な書類

 申立書及び、申立人の住民票又は戸籍附票が必要になります。

 

 また、審理のために必要な場合は、追加書類の提出が必要です。

 

 

5 財産分与の判断

 家庭裁判所は、相続財産の全部又は一部を認めるか、特別縁故者ではない、と判断して全く認めないか、判断します。

 

 申立人が特別縁故者であるかどうか、分与の相当性があるか、縁故がどの程度のもので分与すべき財産はどのようなものか、判断するにあたって、申立書の記載、事実の調査、証拠の作成・添付、意見書の書き方が重要になります。

 

 

6 解決事例

 私が依頼を受けた事例は、長年同居を続けてきた内縁の妻の方でした。

 

 依頼者は、20年以上前から、被相続人と内縁の夫婦関係にあり、生計を同一にし、最後に居住していた被相続人所有のマンションに暮らしている期間も10年以上になります。

 

 申立人と被相続人とは知り合った後暫くしてから同居を始め、転居し、そのマンションに移りました。その後、被相続人が急に亡くなり、依頼者は、葬儀も行いましたが、入籍はしていませんでした。

 

 この事案では、長年内縁関係にあり、生計を同一にしていたことを証明するために、前住所の確定や、一緒に生活していたことの証拠などを多数集め、また、裁判所に対し、全部分与が相当であるとの意見書を作成しました。

 

 審判では、全部分与が認められました。

 

 被相続人も籍を入れなかっただけで、実質的には仲の良い夫婦でしたので、全財産が相続されることを望んでいたと思われます。良い結果になりました。

(関口)

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