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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2017年4月15日(土)

遺言の撤回②

 

1.遺言の撤回方法

 

以前、「遺言者の撤回の意思表示がなされていなくても、一定の事実があったときには、遺言の撤回があったものと扱われる」という法定撤回について説明をしました(遺言の撤回①(法定撤回))。

 

では、自分の意思で遺言を撤回したい場合にはどうしたらいいのでしょうか。

 

民法は、いったん有効に遺言が成立したとしても、「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」と規定しています(民法1022条)。

 

したがいまして、自分の意思で遺言を撤回したい場合、「遺言の方式に従って」さえいれば、原因のいかんを問わず、かつ、いつでも遺言の撤回をすることができます。「遺言の方式」とは、自筆証書遺言や公正証書遺言、秘密証書遺言等のことです。

 

つまり、新たに、いずれかの遺言の方式に従って遺言を作成し、その遺言の中で元の遺言を撤回する旨の意思表示をすることで、遺言の撤回をすることができます。元の遺言と同一の方式である必要はなく、例えば、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回することも可能です。

 

なお、元の遺言が自筆証書遺言であれば、わざわざ新たな遺言で撤回せずとも、元の遺言を破棄して作り直せば足りる場合が多いと思います。もっとも、公正証書遺言であれば、原本は公証役場に保管されていますので、破棄して作り直すというわけにはいかず、遺言を撤回することが必要になるでしょう。

 

2.遺言の撤回を撤回する場合の元の遺言の効力

 

では、遺言の撤回を更に撤回する場合に元の遺言は復活するのでしょうか。

 

回答としては、遺言を撤回する行為自体が撤回され、取り消され、または効力を生じなくなるに至ったときであっても、一度撤回された遺言の効力は復活しないとされています(民法1025条)。これを非復活主義といいます。

 

このような主義が採用されたのは、遺言者が元の遺言を復活させる意思を有していたか否かを遺言者の死亡後において確認するのは困難であり、遺言者が元の遺言を復活させることを希望していたのであれば、元の遺言と同一内容の遺言を改めて作成することができたはずであったことなどが理由とされています。

 

非復活主義がこのような理由を根拠にしているとすると、遺言者が遺言を撤回する遺言を更に別の遺言により撤回した場合であっても、遺言書の記載から、遺言者の意思が当初の遺言の復活を希望するものであることが明らかなときは、当初の遺言の効力を復活させてよいといえるでしょう。実際、このように判断した判例が存在します(最判平成9年11月13日)。

 

また、撤回行為が、詐欺または強迫を理由に取り消された場合も、元の遺言を復活させる遺言者の意思は明白といえますので、元の遺言が復活することになっています(民法1025条但書)。

 

自己の最終意思を相続にしっかりと反映させるためにも、一度作成した遺言の効力を失わせたいときには、どのような方法を取ればいいかを慎重に判断するようにしましょう。

 

(勝本)

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