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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2016年11月14日(月)

時間が経てば,相続人の数が・・・減る?

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甥姪ばかりの多数の相続人の事例

 

 頭の体操をしてみましょう。

 

 Aさんが亡くなり,相続が発生して,遺産があったのですが,遺産分割をしないうちに何十年も経ってしまいました。

 

 被相続人Aさんには,配偶者・子供はなく,両親も亡くなっており,兄弟がB,C,D3人居りましたが,いずれもAさんが亡くなる前に既に亡くなっていました。

 

 また,兄弟B,C,Dには,子供たち(被相続人Aからみて甥・姪)が各々5人,併せて15人居ました。

 

 したがって,現在の相続人はこの甥姪たち15人ということになります。

 

 相続人が多すぎて,話し合いがまとまらなさそうです。。。困りましたね。

 

 なお,この甥姪15人には各々3人子供がいます。。。

 

代襲相続と再代襲相続

 代襲相続とは,本来の相続人が,相続開始前に死亡など(欠格・排除を含む)していた場合,本来の相続人の子供たちが相続することをいいます。

 

 再代襲相続とは,その子供たちも既に死亡などしていた場合,更にその子供たち(が相続),そこも死亡などしていた場合,更にその子供だち(が相続)。。。と進んでいくものです。

 

 ところで,兄弟姉妹が相続人の場合,代襲相続は認められますが,再代襲相続は,(昭和55年12月31日以前に開始された相続でなければ)認められません。

 

 この事案では,被相続人Aには,子も直系尊属もいないので,兄弟姉妹がいる場合には,兄弟姉妹が相続人となります。

 

 しかし,その兄弟姉妹がすでに死亡しているため,その兄弟姉妹の直系卑属である子(被相続人Aからみて甥・姪)が代襲相続することになります。

 

再代襲相続の制限により,時間が経てば相続人が減る?

 しかし,兄弟姉妹には再代襲相続は認められません。

 

 したがって,兄弟姉妹の子(甥・姪)が亡くなってしまえば,その更に子供(つまり甥・姪の子供)には相続がなされない。。。

 

 そこで,上記の事案で,相続人である甥姪たち15人は,次のように考えました。

 

 「いずれ,誰かが亡くなっていけば,自分たちの子供の世代までは相続がされないのだから,このまま待てば,相続人の数が減っていく。。。」

 

 「15人で遺産分割をするには意見を合わせるのが難しい。しかし,しばらく待っていれば,相続人の数が減り,分割協議がしやすくなるぞ・・・」

 

 この考えは正しいのでしょうか? 

 

 間違っているとすれば,どこが間違っているのでしょうか?

 

 普通,「時間が経つと相続人が増えてしまい,たいへんになるから,遺産分割や登記は急いだ方がいい」と聞きますが。。。

(関口)

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